from 飯野恵太
打ち合わせ後の新小岩より

ゴールドラッシュとは、1848年頃に、カリフォルニアで起こった一攫千金を狙う採掘者が殺到したことです。そして、そんなゴールドラッシュでは、成功する人と失敗する人がくっきりとわかれていました。
ゴールドラッシュで成功した人は、金を掘りに行った人ではなく、採掘者にスコップを売った人だ!なんて、逸話をよく聞きます。成功と失敗を分けたのはこういう頭の回転だけでなく、そもそもの考え方が全く異なっていたと言われています。
ゴールドラッシュで成功出来なかった人にはこんな共通の考え方がありました。

1、楽して稼ごうとする
2、なんでも無料で手に入れようとする
3、それなりの投資をしたくない
「金が出る!」という噂をききつけて、人生の一発逆転ホームラン、一攫千金を狙いに行ったひと、いわゆる楽して金儲けしようとした人というのは、ほっっっとんど、成功することができませんでした。

ゴールドラッシュで成功した人として有名な人に「リーバイ・ストラウス」がいます。あのリーバイスを作った人ですね!他にも、サミュエル・ブラナンやヘンリー・ウェルズも成功を収めましたが、みんな楽して儲けようとは思いませんでした。

大衆に流されることなく、知恵を絞り、ビジネスに必要なものに投資することを惜しみませんでした。スコップとバケツという元手をかけずに成功しようとした、ゴールドラッシュで湧いた採掘者とは対照的です。

採掘者に衣類や工具を提供するために、必要なものをリスクを取って仕入れました。「スコップで掘るだけで金持ち」になろうとはしませんでした。丈夫なズボンを開発した時も、特許の申請に大金が必要でしたが、その投資を惜しみませんでした。
ゴールドラッシュで時代を築いた彼らは「ゴールドラッシュ思考」ではなかったのです。

正直言うと、僕もこのゴールドラッシュ思考の部分は大いにあります。特に事業で失敗した当時の僕はゴールドラッシュ思考の塊でした。当時、営業代行の事業をしてるというご紹介をしましたが、厳密にはテレアポの代行業務をしていました。
クライアントにかわって、商品の営業電話をして、ニーズのあるお客さんを見つけるというゴリゴリ大変な仕事をしていました。この経験のおかげで、断られるのには慣れっこになったのですが(笑)
電話営業をする際に、対象企業の電話番号のリストが必要になるのですが、このとき僕は、リストの購入代金をケチって、全部自力でウェブサイトを検索してエクセルに入力するという作業をしていました。いま考えると恐ろしいほど、気が遠くなる作業なのですが、、、
電話をかける作業そのものよりも、リストを作る作業のほうが大変でした。寝る間も惜しんでリストを作っていたのです。リストはどれだけ条件を絞って作るか?が成果に大きく関わるのですが、そこにこだわると手作業でやると時間がかかります。

コストをケチるために手動でやる割に、作るリストは荒く精度の低いものになっていました。人力でやるくせに、楽をしようとしていたのです。
帝国データバンクを代表とするリスト会社に頼めば、一瞬で条件にあう精度の高いリストを手に入れることができたのに、、、

1件数円の投資をケチったのです。たかだか、数円のために自分の睡眠時間を削って、精度の低いリストを使うから成果もあがりませんでした。

当時の僕からしたら、少しでも経費を削ろうと頑張っていたのかもしれませんが、これはまさにゴールド・ラッシュ思考に陥っていたのです。
いまでも、広告費用をケチろうとしてしまうことがあるのですが、そんなときは、ゴールドラッシュ思考で苦しむ過去の自分を思い出すようにしています!