from飯野恵太
横浜の自宅より
 
 
 
 
東洋経済の記事で
こんな考えさせられるものがありました。
 
 
 
 
ある男性の母親は
認知症で、毎日16時になると
決まって徘徊を始めてしまうんです。
 
 
 
 
行方不明になり
警察のお世話になることもあり
その男性は介護のために
離職をするべきか真剣に
考えていたらしいのです。
 
 
 
 
それほどまでに
深刻な問題だったので
16時になると決まって
出ていこうとする母親を
強く叱っていたらしいのです。
 
 
 
 
それでも、彼女はやめようとしないので
わめいたり、彼に暴力をふるうことも
あったのです。
 
 
 
 
どうにも改善しなかったので
悩んだ末にベテランの介護職の方に
相談したらしいのです。
 
 
 
 
その介護職の方は
「16時」ということに
何かヒントがあるんじゃないかと
それを探るために
彼の伯父(母親の兄)に
連絡を取ったんです。
 
 
 
 
もしかすると、16時というのは
彼が、幼かった頃に幼稚園の
バスに乗って帰ってくる時間じゃないか?
ということになりました。
 
 
 
 
なので、その母親に
「今日は、幼稚園のお泊まり会だから
◯◯くん(男性)は帰ってきませんよ。」
と伝えると、「そうだったかい」と
言って、母親は家に戻っていくというのです。
 
 
 
 
認知症の母親は
彼女の鮮明な記憶の中では
毎日、16時に息子のことを
迎えにいくことが
とても大事なことだったんです。
 
 
 
 
息子に寂しい思いをさせないために
どんなことにも優先して
バスの迎えに行かなければいけない。
 
 
 
 
だからこそ、それを止めようとするものは
どんな理由であれ、彼女にとっては
悪だったんです。
 
 
 
 
その悪は、暴力をふるってでも
退けなければいけない存在だったんです。
 
 
 
 
それから、母親に
毎日、「今日はお泊まり会だよ」と
伝えることで、徘徊の行動は
ぴたっととまったんです。
 
 
 
 
それ理由を知って以来
彼は16時になると
母親の深い愛を感じるように
なったんです。
 
 
 
 
それまでは、生活が地獄とまで
感じてしまうほどの
母親の行動に対する
解釈が一変したんです。
 
 
 
 
相手の考え
徘徊の本当の理由を
知ることで
パラダイムシフトが
起こったんですよね。
 
 
 
 
7つの習慣にもありますが
それまで忌むべき存在だと
考えていた相手であっても
その相手の目線で
ものごとを考えると
世界が変わることって
ありますよね。
 
 
 
 
よく衝突する相手
喧嘩ばかりになっちゃう人
どうしても気に入らない相手
 
 
 
 
たとえそうだとしても
相手にも相手の正義があるんですよね。
 
 
 
 
さきほどの男性がそうであったように
相手の欠点(母親の徘徊行為)を
指摘して矯正しようとするよりも
まず、相手を理解してあげるということが
とても大切なことかもしれませんね。
 
 
 
 
大事なことは
相手を理解してから
自分を理解してもらう。
ということですね