blond boy doing homework and reading a book

 

from飯野恵太
馬車道のオフィスより
突然ですが、僕は漫画「タッチ」のことを中学にあがるまで
エロ本だと思っていました。

あんな国民的な青春マンガをつかまて、なぜエロ本だと思っていたのか。

それは、僕が小学校低学年のときくらいのときだったのですが、
ある日、実家の押し入れの奥でこの「タッチ」を見つけたんです。

父の持ち物だったのですが、押し入れの奥の方に隠すように
保管されている漫画。しかもタイトルが「タッチ」
こ、、これは!!

そして、ページをめくると、女性の
艶めかしいレオタード姿が!
これは、完全にエロ本だ!!
やばいもんを見つけてしまった!

それ以上めくる勇気はなく、その日は
「タッチ」を置いたのですが、
数カ月後に好奇心でもう一度タッチを開こうとしたときには、
もう押し入れにタッチはありませんでした。

やはり、エロ本だから、タッチは処分されたんだ、、、
僕の中では、タッチエロ本説は完全に確定していたのです。
それから、何年かの月日が流れ、中学にあがると新しい友達ができました。
そこには、「達也」という名前のクラスメイトがいたのですが、

あろうことか、彼は、
「お父さんがタッチが大好きだったから、上杉達也から名前をもらいました」
と、何かの授業の時に発表していたのです。

まじかよ!あのドエロ本から名前取るなんて、どんな神経の親なんだよ!
と、彼の出自を憂いていたのですが、それから、このエロ本から名前をつけられた
達也くんと話すうちに、タッチは全くエロ本じゃないという事実にたどり着いたのです。
なんの話をしているかというと、「リフレーミング」の強力さを伝えたかったのです。

リフレーミングとは、ある枠組みを通して事実を知ると、
解釈が変わるというものです。

僕は、「押し入れの奥にある」という枠組みを通して
タッチに出会ったので、何かいかがわしい本なんじゃないかと
勝手に解釈していました。

これが、リビングに堂々と出ていたら、
きっとエロ本だと思うことはなかったはずです。

これは、タッチではなく、いろんな事にあてはまります。

例えばレストランだと、
混んでるから、美味しいお店だ。とか。
雑誌に載ったから美味しいお店だ。とか。
◯◯の元料理長が作ってるから美味しいお店だ。とか。

どれも、美味しいという事実に辿り着く前の、「背景」によって
勝手に予想をしてしまっていますよね。

もちろんこのリフレーミングは、治療院の経営でも
大いに活用することができますし、注意も必要です。

例えば、価格。

よかれと思って、低価格の料金を設定すると、
逆に集客ができなくなったりすることがあります。

先生も、1,000円のジーパンと10,000円ジーパンが売っていたら
どっちを買いたいですか?
もちろん、ものを見ないとわからないという人もいると思いますが、
1,000円のジーパンって、なんか質が悪そうですよね。
10,000円のほうが質が良さそうな気がしませんか?
これは、患者さんも同じことを思っています。
安易に値下げをすると、先生の施術の質を
低下させることになりかねません。

逆に、質の高さを伝えるのに、最も効果的なのは
価格を上げるでもあります。

タッチをエロ本と思い込ませてしまうほど強力な力を持った
リフレーミング。
先生もこの力を無視してはいけませんよ。