「コーチ・カーター」from 飯野恵太
自宅オフィスより
久しぶりに、妻と映画をみました。
映画と行ってもDVDですが。

「コーチ・カーター」

レビューでの評価が良かったので、
見てみたのですが、大正解でした。

高校の弱小バスケ部に、
卒業生のコーチが就任して、
奇跡の成長を遂げていくという
実話を元にした映画です。

この中身だけ見ると、
よく目にする内容だとは思います。

でも、実際に見てみたら、
ひと味違ったのです。

もちろん、超スパルタな練習と
高度な戦略を身につけることで、
バスケ部はどんどん強くなっていくのですが、
コーチ・カーターが行ったことは
それだけじゃありませんでした。

このカーターがとてつもなく人間性が素晴らしいと思ったのは、
バスケ部員の学業も、徹底的に向上させていったことです。
彼は、バスケ部のコーチとして就任しただけで、
教師ではありませんでした。
それなのに、彼は、部員のバスケの能力以上に、
学業での成功を強く望んでいたのです。
しかも、その徹底ぶりがすごいんです。
彼が就任してから、バスケ部は常勝チームに変わりました。
負け無しで、戦ってきたのに、
彼は、部員の学業のスコアが低いことがわかると、
部員全員のスコアが大学に進学できるレベルの水準に達するまで
体育館を完全に閉鎖して、公式戦すらも棄権し始めたのです。

そのせいで連勝が止まってもです。
しかも、自宅に石を投げ込まれるくらい、
町の人から批判されたのに、体育館の閉鎖を強行に続けました。

彼はバスケ部のコーチとして就任したので、
はっきりいって部員の学業とか本来は気にする必要ないんです。
バスケ部が強くなれば、それで彼は評価されるんです。

体育館の閉鎖はコーチにとっても、
メリットはないし、デメリットでしかありません。
おまけに、批判までされる。

でも、彼が本当に望んだことは、部員が将来
まっとうな生活を送れることでした。

バスケも大事ですが、そんなことよりも、
部員の将来を本気で大切にしていたのです。

彼が就任した高校では、卒業できるのは
在学生のわずか半数で、大学に進学するのは
全学生のたった6%しかいないのです。
さらに、この地域では、高校を卒業しなかった黒人の
33%は逮捕されてしまっているのです。

なので、バスケばかりやって、高校を卒業せずに終わってしまったら
かなり厳しい未来が待っているのです。

そんな状況を憂いて、彼は本気で部員たちを変えていきます。

最終的には、進学6%の高校にも関わらず
バスケ部の3年生は全員、大学に進学したのです。
奨学金をもらう者までいました。

彼の熱意が通じたのです。

バスケでも、郡大会で優勝して、
州大会に選抜されるほどの快挙を成し遂げました。

主人公のカーターの熱意と、批判を恐れないその姿勢には、
本当に胸が熱くなりました。
体育館の閉鎖を発表したとき、
誰一人として、彼の応援者はいなかったんです。

部員も反発しましたし、
部員の保護者も反対しましたし、
高校の生徒も教師も反対しましたし、
地域の住民も反対しました。
おまけにメディアまでかけつけて、
批判を浴びせました。

石も投げられるし、
車に乗っていたら、つばを吐きかけられます。

それでも、彼は部員の学業スコアが
のびるまで、閉鎖を解かなかったのです。
僕も、先生も、
批判を恐れる気持ちってあると思います。
そのせいで、挑戦できなかったり、
躊躇して、行動が遅くなったり、
やるべきことから逃げたり。
でも、どんな突拍子もないことをしたとしても、
石を投げ込まれることなんてないはずです。
批判の数もカーターの1%にも及ばないはずです。

そう考えたら、自分の挑戦に勇気が湧いてきますよね。

そういう意味で、こういう勇敢な主人公の映画を見ることは
心の成長にとてもいいと思いました。

先生も、時間があったら、ぜひコーチ・カーター観てみてください!