from 飯野恵太
湘南新宿ライン車内より

昨日、妻が息子を予防接種に
連れて行ってくれたのですが、
案の定、息子はギャン泣きしたみたいです。

注射って、子供の天敵ですよね。
いつの時代も。

息子の、うでをみると、
注射後の絆創膏に、
かわいいキャラクターの顔が
ついていました。

病院側の、小さな心遣いを感じますね。
注射側は、こんなにも優しい気持ちを持っているのに、、、

さて、波乱を呼んでいる
紹介に報酬を渡すな!という話の続きです。

昨日は、ある簡単な作業を依頼した場合に、
5ドルと10セントと無報酬だと
それぞれのグループの作業量がどう
変化したのか?

というお話をしました。
結果的には、無報酬のグループが
一番作業に協力的で、
10セントのグループは、
圧倒的に作業量が減ってしまいました。

では、現金ではなく
「プレゼント」ならどうなのか?
というお話をしたいと思います。

同じように、パソコンの図形を移動させるという
作業をグループに依頼したのですが、
そこでは、報酬として、
以下のものを用意したのです。

①無報酬
②スニッカーズ(5ドル相当)
③小さいチョコ(10セント相当)

スニッカーズとチョコの値段は
伝えませんでした。

すると、どのグループも
作業量は変わりませんでした。

プレゼントを渡すことでは、
現金を渡したときのような、
反応は見られなかったのです。

つぎに、このプレゼントを渡す実験の際に、
予め、そのプレゼントの値段を伝えました。

5ドルのスニッカーズ。
10セントのチョコ。

ですと。

すると、おおしろいことに、
値段を伝えずにプレゼントした場合は、
無報酬の場合と作業量は変わらなかったのに、
プレゼントの値段を伝えた途端、
現金を渡したときと全く同じような
反応が観られたのです。

「5ドル」のプレゼントと伝えられたグループは
5ドル渡された場合と同じ程度の作業量で、
「10セント」のプレゼントと伝えられたグループは、
大きく作業量が落ち込みました。

この結果から、商品券や施術料金の割引も
現金を渡したときと同じような結果となることが
予想されます。

もし、先生が患者さんへの感謝のしるしを
伝えたいなら、値段を伝えずに
プレゼントを渡した方が効果的かもしれません。

もちろん、これは
ひとつの実験でしめされた傾向であって、
絶対ということはありませんけどね。

ちなみに、これはスタッフへの報奨でも一緒です。
インセンティブとして、現金を渡すよりも
値段を明かさずにプレゼントをした方が、
長期的にみると、彼らとの絆を深めて、
よりよい仕事につながりやすいと言われています。

もらい手から考えると、
報酬をもらえるのであれば、
現金の方がいいと思います。

僕だってそう思います。

しかし、その行為は、
会社と従業員との
「家族的」なつながりを薄め、
「市場的」なつながりを強める危険があるのです。