ウケる技、スベる技from 飯野恵太
みなとみらいのスタバより

先日、家族でサーカスを観てきました。
いま、みなとみらいに木下サーカスが来ているのです。

当然、サーカスなので、
みんな、人間離れした技を披露してくれます。

球体の中を3台のバイクで走ったり、
ライオン7頭を従えて芸をさせたり、
空中ブランコで宙を舞ったり、

どれも、習得するのに、
何年も、何十年もかかりそうなものばかり。

でも、技はすごいのに、
全然会場が盛り上がらないものもあるんです。

例えば、傘を足のバランスだけで
くるくる回すという技。

技としてはめちゃくちゃすごいですよね。
相当訓練しないと、こんなことできません。

でも、とにかく地味なんです。
すごいけど、面白くないんです。

あと、もう一つがジャグリング。
ジャグリングって9つまわすのって、
神業って言われて、プロでも
安定してやるの、すごく難しいんです。

木下サーカスでも、パフォーマーが
ジャグリングをして、6つ、7つ、8つと
増やしていって、最後9つに挑戦したんです。

2度チャレンジに失敗して、
3度目の挑戦で、ついに9つの
ジャグリングに成功しました。

これは、玄人の人から見たら、
ものすごいことなので、「おおお!!」って
なるんですけど、僕ら素人からすると、
7つも、8つも、9つもどう違うのかわからないんですよね。

会場で意外に盛り上がっていたのは、
4人の囚人役と、1人の刑務官役が
跳び箱を使って体操コントをする奴でした。

すごくわかりやすいですし、
笑いどころもあるので、面白いんです。

でも、技術的には、運動神経のいいスポーツマンなら
少し練習したら、できそうな感じのパフォーマンスなんですよね。

でも、会場の子供も大人も笑って、拍手して、
おお盛り上がり。

技術の高さと、
観客の盛り上がりって
全然比例しないんですよね。

日本人のダンスパフォーマーとして、
「アメリカズ・ゴッド・タレント」で
優勝して、100万ドル獲得した
蛯名健一さんという人がいるのですが、
この人が、面白いことを言っていました。

いくら、玄人受けのする高い技術のパフォーマンスでも、
観客に受けなければ使わない。と。

パフォーマンスをライブで試して、
観客に受けるものだけを厳選していくんです。

彼も、自分のことをパフォーマーとしては
自分より技術のある人は腐るほどいるけど、
自分が優勝できたのは、「プロデュース力」が
あるからだと言っていました。

見せ方がとてつもなく上手なんです。

これは、サーカスや、ダンスのパフォーマンスだけじゃなくて、
全てのビジネスでも通じることですよね。

どんなに、すごいことをしていても、
その価値が相手に伝わらなければ意味がないですもんね。

先生が、他ではできないような
とてつもない技術を駆使していても、
それが患者さんに伝わらなければ
他との差別化はできないのです。

価値を伝える努力をしなければ意味がありません。

価値を伝えるということは、
技術そのものと同等、もしくは
それ以上に重要なことなんです。

先生も心当たりがあったら、
価値を伝える工夫してみてください。