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from飯野恵太
横浜オフィスより

日曜日のワイドナショーで、
末續(すえつぐ)慎吾選手が出演をしていました。

日本人として、初めて陸上短距離種目で
メダルを獲った選手ですね。

日本の陸上の新たな扉を開いたとも
言われている選手です。

彼は、いまも現役で陸上選手として
活躍していて、今話題の
サニブラウン選手のすごさを
解説するために、ワイドナショーに
ゲスト出演していたんです。

サニブラウン選手について、司会者から
質問をされたときの回答が、
シンプルすぎて、とても小学生みたいな
回答をしていたので、それが笑いにつながっていたのですが、
出演者からの質問への回答で、特に印象に残ったものがありました。

アシスタントのアナウンサーが、
「子供の足を速くさせるには、どうしたらいいですか?」
という質問をしたのです。

おそらく、そこにいた出演者も、
僕のような視聴者も含めて、
全員が、具体的なトレーニングの方法を
教えてもらえると期待していたと思うんです。

でも、彼の回答は、こうだったのです。

「親が楽しむことですね。」と。

具体的なアドバイスを欲していた
質問者や、出演者は、この回答に肩透かしを
食らったようでしたが、僕は、ひとりで勝手に、
「うおおおおおお!」と感動してしまいました。

彼は、真理を伝えているな。と。

末續選手は、彼の職業柄、同じような
質問を無数に受けてきたことでしょう。

彼の話を聞いていると、具体的なトレーニングのアドバイスを
したこともあったんだと思います。

しかし、彼の経験では、
親が、そのトレーニングを
子供にやらせようとしても、
ほとんどの場合、うまくいかなかったらしいんです。

子供は、やらされたり、強制されたりすると、
楽しいものと感じずに、抵抗しちゃうらしいですね。

だから、どんなに有用な具体的なアドバイスを
親に送っても意味がないんだと。

そんな、トレーニング方法を聞くなんかよりも、
走ることを、親が子供と一緒に楽しんであげることの方が
よっぽど、効果があると言うんです。

具体的な方法はそのあと。

親が一緒に楽しんであげなければ、
そもそも土俵にあがることができないんだと思います。

日本の頂点にまで到達した末續選手だからこそ、
伝えることのできる真理ですよね。

この事実って、短距離のトレーニングに限らず、
ありとあらゆることに当てはまるなと思いました。

子供の教育全般にはもちろんそうですが、
ビジネスオーナーにとっても、
めちゃくちゃ参考になることだと思うんです。

やり方や知識だけを求めても、
ほとんどの場合、成果に結びつくことはありません。

それよりも、その人のあり方や
マインドセットの方が、よっぽど重要です。

もちろん、やり方やノウハウも成果をあげていく上で
価値のあることですが、そもそも正しいマインドセットを
持っていなければ、知識が活用されずに、
ほこりをかぶってしまうことがたくさんあります。

先生も必ず経験があるはずです。

本やセミナーに参加して、
とてもいい内容だな!と思ったのに、
それらのうち、何ひとつ行動に移さずに、
気づいたら、忘れてしまったということが。

子供に短距離を教えるときに、
「まずは一緒に楽しむ」という土俵に立つ必要があるのと一緒で、
あなたも、「先延ばしにせずに行動する」という
マインドセット(土俵)の上で、戦う必要があります。

やり方よりもあり方ですね。