Handsome man in sport wear with outstretched arms standing on beach

from飯野恵太
横浜オフィスより

僕の中のTHEバイブルと言える本が
一冊あります。

「生き方」

言わずと知れた、京セラの創業者の
稲盛和夫さんの著書ですね。

毎年、必ず読み返す本で、
初めて出会ったときは、
移動中も、歩きながらも、
トイレの中でも、がむしゃらに読んだ
ことを覚えています。

その「生き方」の中に
こんなエピソードが書かれています。

稲盛さんが、まだ、創業間もないころ、
松下幸之助さんの講演を聴いたことがあるらしいのです。

稲盛さんが、松下さんの講演にいくって、
エピソードの登場人物がとんでもないですよね。

そこで、松下さんはダム式経営の話をされて、
ダムを持っていれば、大雨や日照りがあっても、
水量を一定にコントロールすることができる、
だから、同じように、経営も景気の善し悪しに左右されないように
ダム式の経営をすることが大事だという話をしたらしいのです。

その話を聴いた、経営者は、みんな不満だったらしいのです。

「そんなことは知っている、そんな余裕があったら苦労しない」と。

で、質疑応答の時間に、一人の参加者が、

「ダム式経営は理想ですが、その方法を教えてくれないと
話にならないじゃないか」

と質問したらしいのです。

そこで、松下さんは、温和な顔に苦笑を浮かべて、

「その方法は私も知りませんのや。
知りませんけど、ダムをつくろうと思わんとあきまへんなあ」

と返したらしいのです。

この回答に、会場は失笑が広がり、
多くの人は失望したらしいのです。

稲盛さんを除いて。

この話を聞いた稲盛さんは、
ひとり電流が走るような衝撃を受けて、
呆然としていたらしいのです。

これこそが、真理だ!!と思ったらしいのです。

「思わんとあきまへんなあ」
この松下さんのつぶやきは、
まず思うこと、の重要性を伝えていると
感じたらしいのです。

心が呼ばなければ、やり方も見えてこないし、成功も近づかない。と。

この真理の一端にふれて、
そこから、どんどん物事を成就させていって、
いまの大成を掴んだというのです。

とにかく、稲盛さんは、みんなが失望するような
松下さんの回答から、ひとりとてつもなく大きな気づきを得て、
誰も到達できないような高みにたどり着いたんですね。

これって、とてつもないことですよね。

多くの人が、不満さえ感じる答えに、
ひとり電流が走るような衝撃を受けて、
たったその一言で、どんどん成功を手に入れていったのです。

この稲盛さんのエピソードほど
極端じゃなくても、同じようなことって
日常でゴロゴロしてますよね。

同じような情報にふれても、
その情報で成果を手にする人もいるし、
何も変わらずに、不満ばかり言う人もいる。

チャンスは、同様に目の前に広がっているのに、
それをモノにする人と、チャンスだと気づかずに
行動を取ろうとしない人もいます。

生き方を読んで、僕は改めて
稲盛さんのように、気づきを得れる人になりたいと
思ったのでした。