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from 飯野恵太
馬車道のオフィスより

マツコの知らない世界という番組で、
マツコ・デラックスがグミマニアの人から
グミのよさについてプレゼンテーションされていました。

グミの特集をされているんですが、
どうやらマツコはグミが嫌いらしいのです。
10年以上食べたことないって言ってました。

色んなグミを提案されても最初は全然興味がなさそうで、
イチオシのグミが紹介されても、「んー」という表情。

マツコの心はなかなか動かなそうでした。
プレゼンテーターの人が熱意を込めて、色んな
グミを紹介するので、さすがに少しづつ興味を持ち始めたのですが、
あるときをきっかけに一気に、マツコの心が動く瞬間があったのです。

「グミ好きになりそう」って言ってたのです。

何がきっかけだったかというと、そのグミを紹介していた
「プレゼンテーター」の過去について聞いたからだったのです。

 

内容をザックリ紹介すると、
そのプレゼンテーターの人は、昔、陸上競技でジュニアオリンピック3位に
なるくらいスポーツの成績がよくて、その成績を鼻にかけて、
掃除を自分ではやらないようなとっても嫌なやつだったらしいのです。

そんな嫌なやつだったせいで、最終的には人に相手にされないようになり、
それがきっかけで人間不信に陥ってしまったらしいです。

でも、そんな状況を救ってくれたのがグミだったらしく。
グミのおかげで人生が変わり、やっと明るくなれたって言っていたのです。
いまでは、ものすごく低姿勢で、とても謙虚な好青年なのです。

その話を聞いて、これまでなかなかグミに興味を持たなかったマツコが、
「グミ好きになりそう」ってつぶやいたんです。

はっきり言って、グミとは全く関係ないですよ。
グミについてプレゼンする人の過去の話です。
この話をきいてグミの味が変わるわけでも、
食感が良くなるわけでもありません。

でも、マツコはグミが好きになったのです。

これが、人間の行動の真実なのです。
人は、物事の背景を知ると、同じものでも、
違ったように感じるようになるのです。

治療院で言うならば、同じ施術でも、先生の人柄や背景を伝えることで、
その「体験価値」が変わるのです。
このグミのプレゼンの人は、マツコに聞かれたので、
答えていましたが、先生は患者さんに「背景」を聞かれなくても
自分から積極的に伝えなければいけません。

待っていても、「先生はどんな情熱をもって治療をしているんですか?」
なんて、聞かれることはありませんし。

とはいっても、施術中にそんな話を差し込むのも不自然ですし、
難しいですよね。

だからこそ、「手紙」として渡すのです。
最初に来院してくれた患者さんに、
先生の治療の想い、どんな努力を積んできたのか、なぜ治療家になったのか
そんな話を手紙にまとめて、患者さんに伝えてください。
マツコがそうであったように、サービスや商品そのものが変わらなくても、
見え方、体験価値は変わるのです。
渡した患者さんと渡さない患者さんで試してみたらわかります。
驚くほど、定着率が変わっているはずですよ。