from 飯野恵太
コロッケを食べ終えた自宅より
日曜日にテレビを観ていると、おもしろい番組がやっていました。
世界中の優秀なCMにランキングをつけて紹介するというものです。
おもしろいCMがたくさんあったのですが、その中でも、特に印象に残ったものがありました。その内容はこんなものでした。
クリスマスパーティに親戚一同が、おじいちゃんの家に集まるというシーンでした。そこに、高校生くらいの少年がいるのですが、その少年はずーっと携帯電話をいじっているのです。
携帯電話を肌身離さず、
親戚との会話にも交わらず、
おじいちゃんとのハグの最中にも携帯を操作。
思春期の学生にありそうな光景です。家族と一緒にいるよりも携帯でSNS。せっかくの家族との時間なのに、もったいないなー、、と。
しかし、最後にどんでん返しがありました。
おもむろに、その少年が親戚を集めてリビングでテレビをつけると、そこにはクリスマスパーティで、親戚たちが嬉しそうにお祝いする光景、おじいちゃんとハグをする光景、小さい子どもたちが雪で遊ぶ光景、幸せそうなクリスマスパーティの光景が映しだされたのです。
そうです。その少年は、携帯でSNSをしていたのではなく、クリスマスパーティの様子をずーっと撮影していたのです。
そして、ビデオを見ながら、涙するおばあちゃんの姿。
家族との交流に無関心そうだった少年は、無関心どころか、みんなを喜ばせたくて、動画を撮って撮影していたのです。
家族の笑顔の後に「Apple」のロゴが。
すっごいなー。。。と思いました。観ていて、ちょっとうるっときてしました。それに、これを見たら、iPhoneは家族の「敵」ではなく、素敵な思い出を残せる「相棒」というメッセージを深々と与えることできます。
さすがは、Apple。
なんで、このCMが人をひきつけるかというと、そこにはストーリーがあるからだと思います。
少年が、おじいちゃんの家に来て、ずっと携帯をいじっていたかと思っていたら、最後には、親戚の前で、感動的な動画を流して、みんなが、涙する。
という短いながらも、印象的で素敵なストーリー。
CMなのに思わず見入ってしまいます。
遥か昔から、この「ストーリー」には、とてつもない、力があります。
小説や、映画や、漫画にミュージカルにと、人は「ストーリー」をみるために、わざわざお金まで払おうとします。
人はストーリーが大好きなのです。
僕は、「夢をかなえるゾウ」という本が大好きなのですが、あれも、自己啓発に「ストーリー」を合体させて大成功した例です。
書籍は10万部売れたらベストセラーと言われていますが、この「夢をかなえるゾウ」は200万部売れました。もう、規格外です。異次元の大ヒットです。
正直いうと、書いてある自己啓発の内容は、大したことありません。BOOK OFFで10分も立ち読みした方がたくさんのことを学べると思います。
それでも、この夢をかなえるゾウには、抗いがたい魅力があるのです。ストーリーです。
さえない青年が、へんてこな象の神様ガネーシャに出会い成長し、最後には成功をおさめるというストーリーが。このストーリーに、僕もそうですが、人々が夢中になったのです。
だからこそ先生も、この「ストーリー」を自分のビジネスに取り入れることはできないか?と考えることはとても効果的なエクササイズです。
例えば、「施術をすることで、今まで行けていなかった趣味の山登りを楽しめるようになった」という患者さんのストーリーを伝えてあげた方が、単純に施術の効果を伝えるよりも、ずっと心に響くメッセージを作ることができます。
ニュースレターなどを作れば、こういったストーリーを自然に、そして定期的に患者さんに伝えることが出来ます。
人をひきつける魔法の力「ストーリー」。先生の院でもぜひ活用してみてください。