from飯野恵太
横浜オフィスより

ネットフリックスって聞いたことある人は
たくさんいるんじゃないでしょうか?

でも、ブロックバスターって名前は聞いたことありますか?

こっちは、あまり有名じゃありませんが、
ブロックバスターというのは、
アメリカのDVDレンタルビジネスの
最大手だった企業の名前です。

でも、この巨大企業は、
新興企業のネットフリックスが現れたことで、
破産に追いやられることになります。
もともとは彼らからしたら
取るに足らない存在だったにも関わらず。

聞いたことあるかもしれませんが、
DVDレンタルビジネスの利益の大半は、
「延滞料金」が生み出しているんですね。

先生も延滞料金を払って
悔しい思いをしたこと、
一度や二度はあると思いますが、
ブロックバスターは、この延滞料金が
企業の利益の70%を生み出していたんです。

すごいですよね。

でも、ネットフリックスは同じ
レンタルDVD事業でしたが、
延滞料金が発生しないビジネスモデルを
作り出したんですね。

顧客にわざわざお店に足を運んでもらわなくても、
郵送でDVDのやりとりができるようにして、
料金を月額固定料金にしたんです。

だから、DVDを返さなくても延滞料金が発生しないのです。

その代わり、DVDを返さないと、
次のDVDが借りられないという
仕組みにしたんです。

アイディアは斬新だったのですが、
当時のブロックバスターからしたら、
ネットフリックスの存在は、
巨象とアリの関係だったのです。

その気になったら、いつでも潰せると。

だから、ネットフリックスが、
認知され、市場規模がだんだん大きくなってきたときにも、
「構わないで、放っておく」という
決断を取ったのです。

何よりもブロックバスターは、
既存の事業から、多大な売り上げを手にしていたので、
利益率もすごく高かったので、
ネットフリックスが荒らしている市場に
見向きもしなかったんですね。

ネットフリックスの市場に
参入するための投資をするくらいなら、
既存の事業から、利益を手にしていたほうが
確実で、安定しているし、楽だったのです。

しかし、その結末は冒頭にも書いたように、
2010年ブロックバスター破産という形で
決着してしまうのです。

ブロックバスターの経営陣は、「変化」を嫌ったんですね。
いまやっていることが、うまくいっているから、
違うことをやる気にはならなかったのです。

実際、彼らの利益率は66%もあったので、
とてつもなくうまくいっていたんです。

だからこそ、自らを変化させていくことができなかったんですね。

象とアリの関係だった、ネットフリックスに
駆逐されてしまったのです。

人間は変化を嫌います。

いまやっていることがうまくいっているときは、
なおさらです。

でも、どんなことも諸行無常なんですよね。
いまやっていることを永遠に続けて
成功が安定するってことはないです。

これだけ、巨大で利益率の高かったブロックバスターでさえ、
既存の事業にしがみついていては、その栄光を維持することが
できなかったのです。

ダーウィンの言葉に、
「最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者」

という言葉がありますが、
本当にそのとおりですよね。

変化することは怖いし、楽ではないけど、
長期的に成功するには、変化することが
大切なんだなと、ネットフリックスとブロックバスターの
エピソードから、改めて思ったのです。